油壷の別荘
穏やかな波の入江に佇むリゾートマンションのフルリノベーション計画 50年という築年数と潮風にさらされる厳しい環境下により室内外ともに大分朽ち果て、既存のアルミサッシも腐食により開閉さえできないほど劣化していた。 それでもクライアントが即決で購入された理由は他にはないこの景色を手に入れるためだった。 既存プランは当時のまま、昭和のリゾートトレンドであったであろう1LDK。 リビングは小上りの和室に洋間が併設された和洋折衷。 施主は古臭いイメージを一新するべくフルリノベーションを臨んでおり、先ずはスケルトンの状態に。 バルコニーに面するサッシも含め、水廻りから全ての仕上げを一新するかなり大掛かりなリノベーションプロジェクトとなった。 悪条件にさらされながらも躯体の状況は50年という時間を感じさせないほど良好であったが、アルミサッシは使い物にならないほど劣化した状態にあり、カバー工法によって最新のペアガラスサッシに一新。 給湯器も当時主流だったFF式から外部給湯器に改め空調機も天井ビルトインに変更しインフラも一新した。 眺望を最優先に考えリラックスする空間よりも眺望と共に楽しめるダイニングを海辺に配置し、キッチンもなるべくシンプルで家具の様なデザインにすることで生活感が出ないようにしている。 ペンダントライトは海辺の空間に映えるアルテックのビーハイブを。 折り上げ天井は既存を利用しているが、折り返しを新たに付け足してLED間接照明を設けることでより開放的な空間としている。 内壁は既存クロスを取り去って全て塗装壁としているが、施主コレクションの絵画が映えるクリームイエロー(施主希望)を面で塗分けている。 床は既存カーペットから600角のインポート磨きタイルをウマ目地で貼り、透明感や重厚感など景観の写り込みによる効果を狙っている。 また、パネル式床暖房を組み込むことで、タイルの蓄熱効果も期待できる。 部屋の中央に位置するリビングでは、バイオエタノール式暖炉を中央に配置し、上面に60Vのテレビをビルトイン。こちらも生活感が出ないようなTV廻りの設えを考えた。 一番奥に配置した寝室からも眺望を感じられるよう、窓辺に向けてベッドを配置し、間仕切壁ではなく大きな引戸で開閉できるように格子戸とフラッシュ戸の2重の扉で状況に応じて間仕切れるように考えた。こうすることでうたた寝しながら格子戸から波の音が聞こえたり、沈みゆく夕日を横になりながら眺めることもできる。就寝時にはフラッシュ戸を閉めればプライベートな空間となるなど、可変性を持たせることで奥まった空間に置いても海と繋がれるように考えた。
油壷の別荘

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